大腸がんのスクリーニング検査として、便潜反応検査が広く普及している

大腸がんのスクリーニング検査として、便潜反応検査が広く普及している


便潜血反応


1、どんな検査?

 

便に血が混じっていたら、
消化、吸収器官に病気が起きている恐れがある。
この検査により、それらの病気の有無を調べる。


2、異常値を示す主な病気

 

[タール便]
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど

 

[赤色便]
潰瘍性大腸炎、大腸ポリープ、
大腸がん、感性症腸炎、各種の痔など


基準値

陰性(-)


・微量の出血でも検出が可能

 

便潜血検査とは、

便に血液が含まれているかどうかを調べるものです。
上記に、タール便、赤色便とありますが、
そのような肉眼で分かる色調変化だけではなく、
肉眼では確認できないような微量の血液の存在まで、
調べる事ができます。

 

陽性反応が出た場合、

上記に示したようないくつもの病気が想定できますが、
この検査は、

一般的には大腸がんを発見するためのスクリーニング検査として、
広く活用されています。

 

便意血液が混じるのは、

基本的に口腔から肛門に至るまでの消化管全体のどこかに、
出血性の異常が生じているためです。


また、花時や歯肉からの出血など、

消化管以外からの出血が、
のどを通って便に交じり、陽性反応を示すケースもあります。

 

健康なら、便潜血反応が要請になる事はありません。

 


・陽性の場合は出血部分を調べる検査を行う。

 

上記で触れたように、出血原因には、消化管以外の障害も含まれます。


また、陽性反応がでても、

それが一過性のものか持続性のがるものかも判然としません。

 

そこで、陽性が出た場合には、再度便潜血検査を行ってそれを確認し、
血液検査や消化管X線検査、上部消化管内視鏡検査、

大腸内視鏡検査、鼻や歯、
痔の検査など、必要と考えられる検査を実施して確定診断を下します。

 


◆肉眼で分かる色調変化と疑われる主な病気

 

色調変化:赤色便
疑われる主な病気 血液混入:大腸がん、

潰瘍性大腸炎、大腸ポリープ、痔など

 

色調変化:赤色便
疑われる主な病気 血液付着:痔など


色調変化:タール便
疑われる主な病気:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、

胃がん、食道静脈瘤破裂など

 

便潜血反応が要請の場合の例。
※血液由来ではなく色調変化が生じる場合も多い。

 

 

アドバイス


古くからおこなわれてきた科学的検査法では、

食事内容が検査結果に影響を及ぼすため、
事前に食事内容の指示、指導が行われていましたが、

近年普及が進んでいる免疫学的検査法ではその心配がなく、
食事内容の指示、指導はありません。

 


《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版