6種類のアイソザイムを調べ、起きている病気の手がかりを得る

6種類のアイソザイムを調べ、起きている病気の手がかりを得る

・アルアリフォスファラーゼ


1、どんな検査?

 

肝臓、骨、臓器などに

異常が生じると血液中にでてくる酵素の一種を調べ、
どの臓器に異常が生じているかを推測するために行う検査

 


2、異常を示す主な病気


[高値のみ]

肝臓がん、肝硬変、肝炎、
甲状腺機能亢進症、
副甲状腺機能亢進症
骨肉腫、骨軟化症、
泌尿器がん、肺がん、
慢性腎不全、潰瘍性大腸炎など


基準値
80~260IU/l

 


・アイソザイムの動向から障害のある臓器を推測


アルカリフォスファターゼは、

細胞膜に存在するリン酸化学物の分解酵素です。


全身の細胞膜に存在していますが、とくに肝臓や胆道に多く、
骨、胎盤、小腸にも特徴的に存在しています。

 

そして、それぞれが存在する臓器により、
分子構造がわずかに異なっています。

 

これを、アイソザイムと言います。

 

アルカリフォスファターゼのアイソザイムは6種類あります。


アルカリフォスファターゼは、

それが存在する臓器に障害が起こり、
再像が破壊されると、血液中に漏れ出てきます。

 

したがって、この検査でそれをとらえ、
どのアイソザイムの血中濃度が高くなっているかを調べれば、
どの臓器に異常が生じているかの推測を行う事が可能になります。

 


・関連検査の結果と合わせて診断


アルカリフォスファターゼ検査は、通常、
1次検査で何らかの異常が見られた場合に行われる検査の一種です。

 

アルカリフォスファターゼ検査だけで診断を行う事はありませんが、
それらの1次検査や、必要に応じて行われる関連検査の結果を照らし合わせて、
診断に役立てる事になります。

 

 

◆アイソザイムの種類と疑われる病気の例


種類:ALP1/
高値で疑われる病気の例:肝臓がん、うっ血肝、肝濃腫、
硬化性肝炎、胆管がん、総胆管結石など

 

種類:ALP2/
高値で疑われる病気の例:肝硬変、急性肝炎、
ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝臓がん、
胆道閉塞、薬物氏肝障害など

 

種類:ALP3/
高値で疑われる病気の例:甲状腺機能亢進症、
甲状腺機能亢進症、骨肉腫、悪性腫瘍の骨転移、
骨軟化症、くる病など

 

種類:ALP4/
高値で疑われる病気の例:生殖器がん、泌尿器がん、
肺がんなど(多くは妊娠に伴う高値)

 

種類:ALP5/
高値で疑われる病気の例:肝硬変、慢性肝炎、慢性腎不全など

 

種類:ALP6/
高値で疑われる病気の例:潰瘍性大腸炎、肝臓がんなど

 


アドバイス


アルカリフォスファターゼは、

成長期の子供の場合、骨に由来するアイソザイムの血中濃度が上昇します。


また、妊娠中の女性では、

胎盤に由来するアイソザイムの血中濃度がかなり高くなります。

いずれも自然な事なので、心配する必要はありません。

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版