低値の程度がはなはだしいときは、すみやかな治療開始が必要

低値の程度がはなはだしいときは、すみやかな治療開始が必要


アルブミン/グロブリン

 

1、どんな検査?
肝臓などに異常が起こると、

血清たんぱくの主成分であるアルブミングロブリン

構成割合に生じる。それを確認する検査。

 

2、異常値を示す主な病気
[高値]低(無)グロブリン血症、免疫不全症候群など
[低値]急性肝炎、肝硬変、ネフローゼ症候群、多発性骨髄腫、悪性腫瘍など


基準値
1.0~2.0


・高値を示す病気はさほど多くない


血清総たんぱくのほとんどは、

アルブミン(A)かグロブリン(G)の仲間です。

 

アルブミンが約67%、

グロブリンが約33%を占めています。

 

この構成比率がA/G比で、その数値は、

アルブミン値をグロブリン値で割った数値となります。

 

基準値には大きな幅があり、

構成比率としては、2:1から1:1までとなります。

検査値が高値を示す例は、低(無)グロブリン血症、

性感染症、免疫異常などの場合で、

その種類はさほど多いものではありません。

 

 

・肝臓の異常が低値の原因の多くを占める


肝臓に異常が生じて肝機能低下が起こると、

アルブミンの生成量が低下するため、

A/G比も下がります。

 

その異常が炎症性の場合は、

それに加えてグロブリンが増加するため、

さらに比率が下がります。

 

このような形での肝臓の異常が、

低値の主要な原因になっています。そのほか、

ネフローゼ症候群やたんぱく漏出性胃腸炎などでは、

アルブミンが体外に流出する傾向が強くなるため、

A/G比はやはり低値を示します。

 

低値の場合、その程度がはなはだしいほど、

起きている病気の重症の程度が反映されます。

 

たとえば肝硬変がかなり進行していると、

数値は著しく低下します。したがって、

その場合にはすみやかに確定診断を下し、

治療を開始する事が必要になります。


◆肝臓の主な働き


・栄養素の代謝
3大栄養素を分解、再合成する。


・有害物質の解毒、分解
宅品やアルコールを無害な形にする。


・胆汁の生成
脂肪の消化、吸収にかかわる胆汁を生成し、十二指腸に分泌する。


・その他
血液をためて、体の血液量を調整する。また、ビタミン類を蓄える。


アドバイス
アルブミンの減少を起こす病気は、

先に紹介したもののほか、栄養不良や消化管での吸収障害などもあります。

逆に、アルブミンを増加させる原因になる病気は、

現在のところ確認されていません。


《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版