検査前に暴飲暴食を控えても、グリコヘモグロビン値はごまかせない

検査前に暴飲暴食を控えても、グリコヘモグロビン値はごまかせない


・グリコヘモグロビン(HbA1c)

 

1、どんな検査?


赤血球中のヘモグロビンと血糖が結合したものが、

グリコヘモグロビン。

その血中濃度は、過去1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を示す。

 

 

2、異常値を示す主な病気


[高値]

糖尿病、腎不全、

甲状腺機能亢進症など


[低値]

溶血性貧血、鉄欠乏症貧血(回復期)、

インスリノーマ、肝硬変など


基準値
4.6~6.2%(NGSP)
4.3~5.8%(JDS)

 

 

・グリコヘモグロビン値は血糖値より安定している


血糖値は、食事や運動など、

生活上のさまざまな要因により常に変化していますが、

グリコヘモグロビン値は、

過去1~2ヶ月間の血糖の平均的な状態を安定的に示しています。

 

したがって、例えば検査前の数日間、

暴飲暴食を控え、健康的に過ごしたからと言って、

その影響が検査値に反映されることは、ほとんどありません。

ごまかしがきかないのです。

グリコヘモグロビン値は、そのような理由から、

糖尿病などの発見に利用されているほか、

治療中の人の血糖の動向を知るうえで、

血糖値より確実な指標として活用されています。

 


・数値が6.5%以上なら、ほぼ糖尿病


検査値が高くなる理由は、

血糖値の場合とほとんど同じです。

基本的に、

グリコヘモグロビン値がやや高いというだけであると

判定する事はしませんが、

日本糖尿学会では、6.5%以上(NGSP値)を示していたら、

ほぼ糖尿病であると判定するとしています。

 

ただ、糖尿病ではないのに検査値が高い場合もあるので、

関連検査の結果を踏まえて、確定診断を行います。

 

検査値が低ければよいというわけでもありません。

基準値の下限を下回っていたら、

何らかの病気が起きていることが多いので、

それを核にするための2次検査が必要になります。

 


◆過去一定期間の血清の指標


検査:

グリコヘモグロビン/

基準値:

4.6~6.2%(NGSP)及び

4.3~5.8%(JDS)/

期間:1~2ヶ月

 


検査:

グリコアルブミン/

基準値:12.3~16.5%/

期間:1~2週間

 


検査:フルクトサミン/

基準値:205~285μmol/l/

期間:1~2週間

 


検査:1.5アンヒドログルシトール/

基準値:14~39μg/l/

期間:数日間

 


アドバイス
グリコヘモグロビンにはHbA1とHbA2があり、

HbA1は、さらにHbA1a、HbA1bに分かれます。

血糖値の状態をもっともよく反映するのがHbA1cですが、

HbA1全体を見る事もあります。

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版