赤血球沈降速度検査と並ぶ、組織破壊を調べる代表的な検査

赤血球沈降速度検査と並ぶ、組織破壊を調べる代表的な検査

 


C反応性たんぱく

 

 

1、どんな検査?

 

組織破壊や炎症がると血中濃度が上昇するたんぱく質の一種をとらえ、
炎症や組織破壊の有無、重症度などを調べる検査。

 


2、異常値を示す主な病気

 

各種膠原病、虚血性心疾患、肝硬変、
急性肝炎、肺梗塞、敗血症、悪性腫瘍、結核、ウイルス性肝炎、
耳下線炎、胆石症など

 


基準値

[定性検査]
陰性(-)

[定量検査]
0.3mg/dl以下

 


・組織破壊があると速やかに検査数値が上昇する

 

C反応性たんぱくは、肺炎球菌が感染した際に、

その成分であるC多糖体に反応して
血中にあらわれるたんぱく質の一種であるため、

この名で呼ばれています。

 

しかし、実際には様々な組織破壊や炎症に反応して血中濃度が上昇します。

 

組織破壊や炎症の有無を調べる代表的な検査に、

赤血球沈降速度検査がありますが、
C反応性たんぱくは、それらの異常があると速やかに反応が見られるため、
特に発病初期んお診断に、多く活用されています。

 

また、検査数値の低下は症状の改善を示すため、

それを調べる際にも活用されています。

 

ただし、治療の判定には、赤血球沈降速度検査のほうが、

よい重視されるのが一般的です。

 


・高感度CRP検査は虚血性疾患の予防に役立つ

 

近年、従来の検査法より感度の高いC反応性たんぱく検査の方法が開発され、

活用されるようになりました。


これを、高感度CRP検査(hs-CRP)と言います。

 

高感度CRP検査が特に注目されているのは、

心筋梗塞脳梗塞などの虚血性疾患の原因となる動脈硬化とのかかわりです。

 

動脈硬化は、動脈血管の慢性的な炎症に他なりません。

 

そのため、動脈硬化が生じ始めてると、

C反応性たんぱくの血中濃度も少しずつ上昇していきます。


高感度CRP検査により、

動脈硬化の進行を早い段階でとらえれば、

それ以上の進行を防ぐための対応をとる事が可能になります。

 


CRP検査の判定

 

定性:陰性(-)
定量(mg/dl):0.3以下
重症度:/
判定:基準値の範囲

 

定性:弱陽性(+1)
定量(mg/dl):0.4~0.9
重症度:軽度
判定:軽い炎症などの可能性あり

 

定性:陽性(+1)2
定量(mg/dl):1.0~1.9
重症度:中等度
判定:中等度の炎症などの可能性あり

 

定性:陽性(+2)
定量(mg/dl):2.0~14.9
重症度:中等度
判定:中等度以上の病気の可能性あり

 

定性:強陽性(+3異常)
定量(mg/dl):15.0以上
重症度:高度
判定:重い病気の可能性あり

 


アドバイス

C反応たんぱく検査の数値は、

高ければ高いほど病気の重症度も高いと判断する事が出来ますが、
たとえば高齢者や栄養状態が良くない人の場合、
数値の上昇が弱いことがあります。

 

したがって、検査数値が基準値内なら病気が起きていないとは限りません。

 

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版