変動しにくい数値が変化したら、体に何らかの異常が起きている!

変動しにくい数値が変化したら、体に何らかの異常が起きている!


電解質

 

 

1、どんな検査?


電解質は電気を通すミネラルで、

微量で体内んお調整機能を担い、組織の構成成分になる。

この検査では、それらの血中濃度を調べる。

 

 

2、異常値を示す主な病気


以下「◆電解質の異常と疑われる主な病気」に記載

 


基準値


[ナトリウム(Na)]137~149mEq/l
[カリウム(K)]3.7~5.0mEq/l
[カルシウム(Ca)]8.4~10.2mg/dl
[クロール(CI)]102~110mEq/l
[マグネシウム(Mg)]1.3~1.9mEq/l
[リン(P)]2.5~4.5mg/dl
[鉄(Fe)](成人男性)70~170μg/dl
[鉄(Fe)](成人女性)60~150μg/dl

 

電解質はすべて体内では合成できない


電解質は、互いに連携して体の機能を維持しています。

ごく微量があればよいのですが、体内で作る事は出来ず、

すべて食事を通して摂取されます。

 

電解質の検査数値は変動しにくいのですが、

何らかの理由でそのバランスが崩れると、

さまざまな形で異常が生じてきます。

 

また、体内で何らかの異常が起きると、

そのバランスが崩れる事があります。

 

したがって、数値に異常があれば、

体内に異常が生じていることを示している事になります。

 

 

・重大な病気の心配も


電解質の異常値は、

さまざまな病気の発生を推測させます。

なかには、重大な病気や、放置していると治療が難しくなる病気もあります。

 

異常値の出方が高値、低値にかかわらず、

すぐに異常値の原因を突き止め、早期に治療を開始する事が大切です。

 


電解質の異常と疑われる主な病気


Na/

異常:高値/

疑われる病気:極度の脱水、糖尿病、クッシング症候群など

 


Na/

異常:低値/

疑われる病気:急性腎炎、腎不全、心不全、肝硬変など

 


K/

異常:高値/

疑われる病気:腎不全、アジソン病、低アルドステロン症など

 


K/

異常:低値/

疑われる病気:アルドステロン症、クッシング症候群など

 


Ca/

異常:高値/

疑われる病気:悪性腫瘍、白血病副甲状腺機能亢進症など

 


Ca/

異常:低値/

疑われる病気:腎不全、副甲状腺機能低下症、急性膵炎など

 


CI/

異常:高値/

疑われる病気:脱水症、腎不全、過換気症候群など

 


CI/

異常:低値/

疑われる病気:肺炎、肺気腫、糖尿病、腎不全、下痢など

 


Mg/

異常:高値/

疑われる病気:腎不全、尿崩症、甲状腺機能低下症など

 


Mg/

異常:低値/

疑われる病気:腎盂腎炎、甲状腺機能亢進症、吸収不良症候群など

 


P/

異常:高値/

疑われる病気:副甲状腺機能低下症、腎不全、糖尿病など

 


P/

異常:低値/

疑われる病気:副甲状腺機能亢進症、吸収不良症候群など

 


Fe/

異常:高値/

疑われる病気:再生不良性貧血、溶血性貧血、肝硬変など

 


Fe/

異常:低値/

疑われる病気:鉄欠乏症貧血、赤血球増多症、関節リウマチなど

 

 


アドバイス
電解質は、すべて食事から摂取する必要がありますが、

ふつうの食事をしていれば、めったに異常値が出ることはありません。

ただし、極度の偏食の場合は別です。

その場合、食習慣の改善指導が行われますから、

栄養士の指示を忠実に実行しましょう。

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版