2段階の検査でともに陽性なら、エイズ感染が確定する

2段階の検査でともに陽性なら、エイズ感染が確定する

 

・ヒト免疫不全ウイルス


1、どんな検査?

HIVが、エイズ(AIDS=後天性免疫不全症候群)の原因となるウイルス。
この、免疫機能を破壊するウイルスの有無を探る検査。


2、異常値を示す主な病気

エイズ(後天性免疫不全症候群)


基準値

陰性(-)

 


エイズウイルスに感染すると体が無防備になる

 

エイズウイルスは、

人体に備わっている免疫機構を破壊するウイルスです。


感染すると、

さまざまなウイルスや細菌の体内侵入を防ぐことができなくなり、
それまでかかりにくかった感染症に犯されて、
生命の危険を招くようになります。


主な感染症に、カリニ肺炎、カンジダ症、

ヘルペスなどがあります。

 

このウイルスは、血液や体液(精液・膣内泌液)によって感染します。


感染後、症状が現れるまでに、平均5~6年かかります。

 


・感染の確定診断は3回の検査で得る

 

検査は、このウイルスに対する抗体の有無を調べることで、
感染しているかどうかを確認します。

 

検査方法にはいくつかの種類があります。


最初に行うのは、酵素抗体法(エリザ法)か凝集法(PA法)です。


検査の感度はよく、スクリーニング検査に適しています。


ただし、感度のよさの影響でエイズ以外の抗体にも反応するため、
右の検査で要請が出たら、

もう一度同じ検査を行って反応を確かめます。

 

この、二度の検査が第一段階です。

 

上記の二度目の検査でも陽性反応が出たら、

感度は上記の検査に及ばないものの、
HIVに対する特異性の高いウエスタンブロット法(WB法)か

間接蛍光抗体法(IF法)による検査を行います。


これが第二段階で、これで陽性なら、

エイズ感染の確定診断となります。

 


◆感染防止に役立つ日常の心得

・性交時には必ずコンドームをつける
・歯ブラシやかみそりなどを共有しない
・血液が付着したものは焼却する
・血液、体液は付着したら石鹸でよく洗い流す

 

 

アドバイス

 

HIVは血液や体液を通じて感染しますが、
たとえば日常的な皮膚の接触やトイレの共有、くしゃみ、
せきなどによる感染はありません。


血液、体液がほかのヒトに触れるのを徹底的に防げば、
周囲の人に感染することがありません。

 

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版