HCV感染に気づかないと、肝硬変・肝臓がんに至る恐れが!
HCV感染に気づかないと、肝硬変・肝臓がんに至る恐れが!
1、どんな検査?
C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査。
ウイルスの検出が難しいため、それに対する抗体の有無を調べる。
2、異常値を示す主な病気
急性C型肝炎、慢性C型肝炎、HCVキャリア、
肝硬変、肝臓がんなど
基準値
陰性(-)
・HCVの抗体により感染の有無を確認する
このウイルスは、
表面のたんぱく質の種類を少しずつ変化させる性質があるため、
抗原の検出がやっかいです。
そこで、
HCVの感染後に体内にできる抗体をウイルスマーカーとして利用し、
検査します。
ただし、抗体は、感染後一ヶ月程度たたないと、
検出できる量にはなりません。
検査で陽性反応が出た場合、
基本的にはHCVに感染していることになります。
そのケースで、実際に肝機能障害が現れていれば、
C型肝炎になっていると、
ほぼ判定できます。
ただし、過去に感染したものの、
現在は治っているケースや、
C型肝炎の発症がないまま、
感染状態が続いているケース(無症候性キャリア)などもあるため、
その区分が必要になります。
その場合、HCV-RNA同定検査(ウイルスの遺伝子を確認する検査)や、
HCVコア抗体検査(ウイルスの遺伝子を確認する検査)などにより、
実情を把握します。
・感染後20年経ってから発症することもある
HCVに感染すると、
一般的には急性肝炎という形で症状が現れますが、
慢性化して徐々に進行し、20年経ってから起きることもあります。
症状も現れにくく、
知らないうちに肝硬変や肝臓がんになることもあります。
また、症状が現れないケースも少なくありません。
そのケースが無症候性キャリアです。
◆感染防止に役立つ日常の心得
1、かみそりや歯ブラシ、タオルなどを共有しない
2、出血時には他人に血液が触れないようにし、
血液が付着したものは密閉して廃棄する。
3、排尿・排便後は手をきちんと洗う
4、生理時には処理後、手をきちんと洗う
5、献血(供血)をしない
アドバイス
主に血液や体液により感染します。
医師がアドバイスする日常生活上の注意点を、
厳守しましょう。
特に無症候性キャリアの人は、つい油断しがちなので、
注意を怠らないようにしてください。
《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版