アルコール性肝障害かどうかは、γ-GTPの検査でほぼ確定する
アルコール性肝障害かどうかは、γ-GTPの検査でほぼ確定する
1、どんな検査?
アルコール性肝障害の検査。
腎臓に多く存在するほか、膵臓や肝臓などにも分布している。
2、異常値を示す主な病気
[高値の場合]
アルコール性肝障害、胆汁性肝硬変、
硬化性胆管炎、胆道閉塞、肉芽腫性肝炎、肝がん、
悪性リンパ腫、薬物性肝障害など
基準値
[成人男性]10~50IU/l
[成人男性]9~32IU/l
・γ-GTP値と飲酒量は明らかな相関関係にある
γ-GTPは腎臓にもっとも多く分布していますが、
腎臓の障害で検査値が上昇する事はほとんどありません。
γ-GTPが高値を示すのは、たいていの場合、
アルコールの常飲が原因で肝臓障害が起きた時です。
その血中濃度は毎日の飲酒量と明らかな相関関係にあり、
毎晩お酒をたくさん飲んでいる人は、検査値が高くなる恐れが強いのです。
異常値が示す主な病気の様に、
γ-GTPが高値を示す病気はいろいろありますが、
肝臓に障害が起きていて、しかもこの数値が高ければ、
アルコール性のものであると、ほぼ判断がつきます。
たとえば胆汁性の病気では、横断を伴うことで区別できます。
薬物性肝障害では、並行して行う別の検査の結果を見れば判別がつきます。
このように、多くの場合、判別は難しくありません。
・2合以上毎日飲んでいる人は要注意!
日本酒換算で、ほぼ毎日2合以上飲んでいる人は、
現在γ-GTP値が基準値内にあっても、
アルコール性肝障害を起こしやすいことが分かっています。
定期的な健康診断の結果に注意して、
基準値内でも上昇傾向を示しているかどうかを確認する事が大切です。
そして、アルコールとの付き合い方を考え直すきっかけにしましょう。
もしあるコー0ル性肝障害を診断されたら、
ただちに禁酒をする事が必要になります。
◆アルコール性肝炎の主な症状
※症状を感じないケースもありますが、
次のような自覚症状を伴う事があります。
・吐き気
・全身の倦怠感
・食欲不振
・黄疸
・発熱
・右上腹部痛
アドバイス
γ-GTP値は、新生児では高い傾向があり、
思春期頃に基準値に収まります。
また、女性の場合は妊娠中、とくに後期になると、
女性ホルモンの作用が原因で数値が低下する事があります。
いずれも心配する事はありません。
《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版