貧血の原因や種類の判別に3つの指標から肉薄する
貧血の原因や種類の判別に3つの指標から肉薄する
1、どんな検査?
赤血球の状態から、
貧血の種類などを調べる検査。
赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値をもとにして算出する
2、異常値を示す主な病気
溶血性貧血、再生不良性貧血、
肝・腎臓がんなどに起因する続発性貧血、
白血病、急性の出血、骨髄異形成症候群、巨赤芽球性貧血、
肝疾患などに起因する続発性貧血、
セラセミア症候群、感染症・炎症・腫瘍などに起因する続発性貧血など
基準値
[MCV]
男性85.8-102.0fl
女性82.2-100.0fl
[MCH]
男性29.0-35.2pg
女性27.4-34.0pg
[MCHC]
男性33.1-35.0%
女性32.8-34.9%
・赤血球の大きさや量などを計算する
上記の通り、
この検査は別の3つの検査数値をもとに計算をして割り出すものです。
平均赤血球容積(MCV)、
平均赤血球(MCH)、
平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)の、
3つの指標を算出します。
・MCV
個々の赤血球の大きさの平均値です。
基準値内なら「性球性」、
高値なら「大球性」、
低値なら「小球性」と呼びます。
・MCH
個々の赤血球に含まれるヘモグロビン量の平均値です。
基準値内なら「正色素性」、
高値なら「高色素性」、
低値なら「低色素性」と呼びます。
・MCHC
個々の赤血球に含まれるヘモグロビンの平均的な割合です。
上記3つの指標から、貧血の種類などを推定します。
・貧血の治療は正しい指導のもとで
貧血は、その原因や種類によって治療法が異なります。
たとえば鉄欠乏性貧血では鉄分の摂取が大切な
治療法のひとつとなりますが、
ほかのタイプの貧血にも有効であるとは限りません。
治療は、自己判断ではなく、
医師の正しい指導のもとに行う事が大切です。
◆MCV、MCHから想定される主な病気
・MCV、MCHの状態が正球性正色素性の貧血
原因:骨髄での赤血球産生障害など
主な病気:溶血性貧血、再生不良性貧血、
肝・肝臓がんなどに起因する続発性貧血、
白血病、急性の出血、骨髄異形成症候群など
・MCV、MCHの状態が大球性高色素性の貧血
原因:核酸合成障害
主な病気:巨赤芽球性貧血、
再生不良性貧血、肝疾患などに起因する続発性貧血、
骨髄異形成症候群、急性の出血、白血病など
・MCV、MCHの状態が小球性低色素性の貧血
原因:ヘモグロビンの合成障害など
主な病気:鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血、
サラセミア症候群、感染症・炎症・腫瘍などに起因する続発性貧血など
アドバイス
鉄欠乏性貧血の場合、
鉄分の積極的な摂取が必要になります。
鉄剤による薬物療法も行われますが、
食事内容の改善も大切です。
レバーは肉類、ほうれんそうなど、
鉄分の豊富な商品を積極的に食べましょう。
《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版