余分なコレステロールを回収する健康な味方、HDL-C

余分なコレステロールを回収する健康な味方、HDL-C


HDLコレステロール

 

1、どんな検査?


HDL-Cの血中濃度を調べる。

HDL-Cは、血液中の血管壁の余分なコレステロールを回収する役割を担っている。

 

2、異常値を示す主な病気


[高値]

高HDL-C血症、家族性CETP欠損症など


[低値]

脂質異常症動脈硬化症、

心筋梗塞、糖尿病、低HDL-C血症など


基準値
40~99mg/dl

 


・脂質の運び役、リポたんぱく


コレステロールは、脂質(脂肪)の一種です。

血液と脂質は文字通り「水と油」の関係ですから、

そのままではなじむことが出来ません。

 

そこで、たんぱく質などと結合して、

血液になじみやすい形をとっています。

 

これを「リポたんぱく」といいます。

 

血液中を流れていくうちにその構成成分を変化させます。

変化する中心は、コレステロール中性脂肪で、

変化に伴って比重が顕著に変わる為、

その比重差から、いくつかの種類に分類されています。

 

そのうち、もっとも比重が大きい(脂質成分が少ない)のが、

HDL-C(善玉コレステロール)です。

 


・HDL-Cが低値だと動脈硬化が進行しやすい


HDL-Cの主な役割は、

血管内の余分なコレステロールの回収です。

 

もしHDL-Cの血中濃度が低いと、

余分なコレステロールの回収がとどこおって、

血管壁に蓄積されることになります。

 

これが、動脈硬化を引き起こし、

心筋梗塞脳梗塞などの原因になります。

 

HDL-C値が正常であれば、

動脈硬化が進行する恐れが少なくなりますから、

その意味でHDL-Cは、

「善玉コレステロール」とも呼ばれています。

 

ただ、極度に高値を示している場合は、

必要なコレステロールまで回収され、

別の血管などを痛める事になります。

 

 

◆リポたんぱくの各種名称


水になじみやすい
・アポたんぱく
・リン脂質
・遊離コレステロール

 

水になじみにくい
中性脂肪
コレステロール

 

アドバイス


HDL-Cの基準値は上記の通りですが、

女性(思春期から閉経期まで)のほうが高値を示す事が多いため、

医療機関によっては、

女性について10mg/dl程度高い基準値を

設定しているところもあります。

 


《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版