LDL-Cは、血中濃度が高いと「悪玉」とよばれるようになる
LDL-Cは、血中濃度が高いと「悪玉」とよばれるようになる
・LDLコレステロール
1、どんな検査?
LDL-Cは全身にコレステロールを届けているリポたんぱくの一種。
そのじょうたいを調べる。
2、異常値を示す主な病気
[高値]
糖尿病、肝臓がんなど
[低値]
甲状腺機能亢進症、肝硬変、
劇症肝炎、アジソン病など
基準値
50~139mg/dl
・悪玉にしている原因は自分の生活習慣化も?
下記に【◆リポたんぱくの種類】に記載がありますように、
リポたんぱくにはいくつかの種類があります。
その一つがLDL-Cで、
主にコレステロールの運搬役を担っています。
そしてHDL-Cがその余分なコレステロールの回収役となり、
それらの血中濃度は一定範囲に保たれています。
そのバランスが何らかの原因で崩れ、
LDL-Cの濃度が高くなると、
動脈硬化を促進するようになります。
そのため、LDL-Cは[悪玉]の異名を持つことになりました。
高カロリー、動物性脂肪の食品をたくさん食べる習慣や、
運動量の少ない生活習慣です。
つまり、自分の生活習慣が、
LDL-Cを「悪玉」に仕立て上げている恐れが強いのです。
・HDL-Cの低値が重なると
悪玉のLDL-Cが高値である上に
善玉のHDL-Cが低値を示していると、
動脈硬化の傾向に、いっそうの拍車がかかります。
また、動脈硬化に関わりのある糖尿病や
甲状腺機能低下症などが重なると、
やはりその傾向が助長されることになります。
◆リポたんぱくの種類
種類:カイロミクロン/
中性脂肪85%/
コレステロール7%/
リン脂質6%/
たんぱく質2%/
比重:0.960以下
種類:VLDL/
中性脂肪55%/
コレステロール19%/
リン脂質18%/
たんぱく質8%/
比重:0.960~1.006
種類:IDL/
中性脂肪24%/
コレステロール46%/
リン脂質12%/
たんぱく質18%/
比重:1.006~1.063
種類:LDL/
中性脂肪10%/
コレステロール45%/
リン脂質22%/
たんぱく質23%/
比重:1.019~1.063
種類:HDL2/
中性脂肪5%/
コレステロール24%/
リン脂質29%/
たんぱく質42%/
比重:1.063~1.125
種類:HDL3/
中性脂肪4%/
コレステロール15%/
リン脂質23%/
たんぱく質58%/
比重:1.125~1.210
※リポたんぱくは、
比重の違いにより分類されています。
脂質の量が多いほど、
比重がちいさくなります。
※カイロミクロンは、
小腸から吸収された脂質が
肝臓へ運ばれる際の形態。
VLDLは、
肝臓から血中に出たばかりのリポたんぱく。
またIDLは、VLDLとLDLの中間形態。
アドバイス
高値を示す主因が不適切な生活習慣にある場合には、
その是正が、治療を進めるための大前提になります。
そのほか多くのケースで、
中性脂肪が高値になっている場合と同様の対応をとる事になります。
《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版