数値が30%以下になっていたら、すみやかな治療開始が必要になる
数値が30%以下になっていたら、すみやかな治療開始が必要になる
・ヘマトクリット(Ht)
1、どんな検査?
血液中に含まれる赤血球の割合を調べる。
遠心分離器により血液(ヘマト)を血漿と固形成分に
分離(クリット)して測定する。
2、異常値を示す主な病気
[高値]赤血球増多症、脱水、ストレス過多など
[低値]各種貧血、臓器出血、腎不全
基準値
[成人男性]38.1-49.5%
[成人女性]32.0-43.0%
・RBCやHbと正比例の関係になる
ヘマトクリット(Ht)の3検査は、
いずれも血液中の赤血球の状態を、
別の視点から調べる検査です。
したがって、それぞれの検査数値の増減は、
基本的に正比例の関係になります。
そのほか、夜より朝のほうが、
夏より冬のほうが高値を示す傾向がある点、
喫煙や運動が高値へ導きやすい点、
妊娠が低値を示す原因になる点なども、共通しています。
・3検査の異常値が示す病気も共通している
この3検査で異常値が出た場合に想定される病気は、ほぼ同じです。
3検査の結果、いずれも低値を示していれば貧血である証拠ですから、
その原因を詳しく調べる事になります。
たとえばヘマトクリット値が30%以下、
あるいはヘモグロビン値が11g/dl以下である場合には、
貧血症状が深刻になっていますから、
原因究明と治療開始を急ぐ必要があります。
また、貧血が赤血球の生成に関わるものであるとは限りません。
消化性潰瘍やがん、
子宮筋腫などによる出血が原因になっているかもしれません。
ほかに気になる自覚症状があれば、
詳しく医師に伝える事が大切です。
3検査でいずれも高値を示しているときは、
がんが陰に隠れていることもありますから、
やはりすみやかに原因を確認する事が必要になります。
◆貧血の種類
・幹細胞の異常-再生不良性貧血など
・成熟の障害-鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血、巨赤芽球性貧血など
・溶血-溶血性貧血など
・出血-内臓出血など
アドバイス
貧血のなかで多数を占めている鉄欠乏症貧血のでは、
進行するにつれて倦怠感、動悸、息切れなどが現れ、
さらに進むと、
さじ状爪(爪が反り返る)や嚥下障害(ものが飲み込みにくくなる)などが
現れる事があります。
《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版