体の防衛反応にかかわる白血球、減少すると抵抗力が低下してしまう！

・白血球

1、どんな検査？
血液1μl中の白血球の数を調べる。

白血球は骨髄でつくられ、その数は、

炎症や感染症、血液の病気などにより増減する。

2、異常値を示す主な病気
[高値]慢性気管支炎、肺炎、白血病、腎盂腎炎、胆のう炎、胃腸炎など
[低値]再生不良性貧血、ウイルス感染症、急性白血病など

基準値
[成人男性]3,700～9,700個/μl
[成人女性]3,500～8,200個/μl

・高値を示すのは体が防衛態勢に入っているため

白血球は、体内に侵入した最近あＹ異物などを取り込み、

分解するという働き(食作用)をしています。

普段は一定量が血液中に存在していて、

体のどこかに炎症が起きると、

骨髄での産生が高まり、

その結果、血中の白血球数が上昇します。

これが、検査値が高値を示す典型例です。

骨髄での白血球産生が無制限に亢進して、

高値を示すようになります。

逆に、骨髄の白血球産生能力が低下したり、

古い白血球を壊している脾臓の働きが異常に亢進したりすると、

検査値は低下します。

放射線治療や抗がん薬の使用が原因で、減少する事もあります。

・白血病が原因で高値も低値も示す事がある。

前項で触れたように、

白血病は検査値を高くする原因の一つとなりますが、

低値を示す原因になるケースもあります。

これは、白血病細胞が骨髄で増殖し、

骨髄細胞を破壊するために起こるものです。

どのような原因であるにしても、

白血球数が減ると、体の抵抗力が衰え、

感染症にかかりやすくなります。

特に3000個以下になったら十分な注意が必要です。

1000個以下になると、無菌室に入る事になります。

逆に2万個以上になったら、

慢性白血病や敗血症などの恐れがあります。

慢性白血病では、10万個以上になることもあります。

◆白血球が増加させる日常原因

日常の次のような事で、白血球数が一時的に増加する事があります。
・激しい運動
・ストレスの蓄積
・精神的動揺
・食事後
・入浴後
・喫煙

アドバイス
白血球数検査で異常値が出たら、

高値・低値ともに重大な病気が原因になっている恐れがあります。

医師から2次・精密検査を指示されたら、

すみやかにそれに従い、一刻も早く確定診断を出してもらいましょう。

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典最新版