数値が大幅に低い人は航空機の利用を慎重に

数値が大幅に低い人は航空機の利用を慎重に


・ヘモグロビン量

1、どんな検査?
ヘモグロビンは赤血球の主要成分で、酸素と二酸化炭素の運搬役。この検査により、血液の酸素運搬能力がわかる。

2、異常値を示す主な病気
[高値]赤血球増多症など
[低値]鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、臓器出血、肝不全など


基準値
[成人男性]13.0-16.9g/dl
[成人女性]11.0-14.6g/dl


赤血球数が減るとヘモグロビン値も下がる
赤血球の主要成分であるヘモグロビンは、ヘムという色素とグロビンというたんぱく質が結びついたものです。ヘムの中心となる成分が二価鉄で、これが酸素運搬の役を果たしています。ヘモグロビン量と赤血球数、ヘマクリットは、ともに赤血球にかかわる検査です。たとえばヘモグロビン量ろ赤血球数は、一方が低下すればもう一方も低下すると言う事で、低値・高値を示す原因もほとんど同一ですから、赤血球数の記事を参照してください。

・腎、肝臓がんが続発性赤血球増多症の原因に
ヘモグロビン量や赤血球数が大幅に低い人の場合、貧血症状が顕著に現れますが、そのような人は、航空機の利用に注意が必要です。航空機は、上空を飛行しているとき、機内の気圧を低めにコントロールしています。気圧が低くなると、一般に血液の酸素運搬能力は低下します。そのため、貧血症状が強くなりがちです。強い貧血であると診断されている人は、事前に医師にアドバイスを受けるようにしてください。一方の赤血球増多症には、骨髄の造血細胞の増殖が原因で起こる慢性のものと、造血量を調整にているホルモン(エリスロポエチン)の分泌が増えてるために起こる続発性のものがあります。続発性の場合、腎臓や肝臓のがんが原因になっていることがあります。


◆異常値が出ても心配ないケース
高齢者の低値-11g/dl以上ならOK
・妊娠中の低値-11g/dl以上ならOK
・生理前の高値-心配無用
・新生児の高値-心配無用


アドバイス
鉄欠乏症と悪性の貧血は、栄養成分の不足が原因で起こる為、食事内容の改善が治療の助けになりますが、臓器出血が原因になっている場合は、原因となっている出血性の病気を治療しなければ治りません。食事療法では改善しないのです。

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版