血清中の特定の物質をチェックしてがんの存在を”ある程度”確認する

血清中の特定の物質をチェックしてがんの存在を”ある程度”確認する


・主な腫瘍マーカー


1、どんな検査?

がんが発生すると血液中に増加してくる物質を測定して、
がんの発病の発見や治療効果の確認などのために活用する。

 

2、異常値を示す主な病気
別記事「◆主な腫瘍マーカー」に記載

 

腫瘍マーカーとは、通常は体内にほとんど存在しない特殊な物質が、
血液中や尿中で増えてくることがあります。

 

腫瘍マーカーには、がん細胞が作り出しているものと、
がんの存在に反応して正常細胞が作り出しているものがあります。

 

その多くは、特殊なたんぱく質か、ホルモン、酵素などです。


・この検査だけで診断を下すことはない

腫瘍マーカーには、特定の臓器に対してある程度特異性を示すものと、
そうでないものはあります。現状では、残念ながら、後者のケースが多いのです。

まして、すべてのがんに対応できるような腫瘍マーカーは、

今のところ見つかっていません。

 

また、検査で陽性反応が出たからといって、

必ずしもがんが発生しているとは限らず、
逆に陰性反応が出たからと言って、

がんが存在しないという診断を下すことも出来ません。

 

腫瘍マーカーは、確実な診断を下すための検査ではなく、
補助的な存在です。それでも、がん発見の糸口になるケースがあるうえ、
治療中の経過観察や予後の判定などには、

十分に活用意義のある検査となっています。

 

腫瘍マーカーにはきわめて多くの種類がありますが、
その主なものを別記事「◆主な腫瘍マーカー」に記載いたします。

 


◆がん・臓器に特異性の高い腫瘍マーカーの例

腫瘍マーカー:AFP
特異性を示すがん・臓器:原発性肝臓がん

腫瘍マーカーCA19-9
特異性を示すがん・臓器:膵臓がん、胆道がん

腫瘍マーカーCEA
特異性を示すがん・臓器:大腸がん、胃がん膵臓がん

腫瘍マーカー:BCA225
特異性を示すがん・臓器:乳がん

腫瘍マーカー:PSA
特異性を示すがん・臓器:前立腺

腫瘍マーカー:γ-Sm
特異性を示すがん・臓器:前立腺

腫瘍マーカーCA125
特異性を示すがん・臓器:卵巣がん

腫瘍マーカー:CA130
特異性を示すがん・臓器:卵巣がん

 

アドバイス

腫瘍マーカーの多くは、どの臓器にがんが発生しているかを、
単独で確認することができません。

したがって、いくつかの腫瘍マーカーを調べて検査するケースが多くなります。

また、がんがある程度進行しないと、反応が得にくいのが現状です。

 


《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版