ぶどう糖負荷試験を行えば、糖尿病であるかどうかがわかる!

ぶどう糖負荷試験を行えば、糖尿病であるかどうかがわかる!


ぶどう糖負荷試験


1、どんな検査?

ぶどう糖75gの水溶液または同等の液を飲み、
血糖値の推移を見る。
糖尿病の確定診断をする目的で実施する検査。


2、異常値を示す主な病気

[高値]
糖尿病、甲状腺機能亢進症、
肝臓・膵臓障害、中枢神経障害など

[低値]
インスリン血症、アジゾン症、吸収障害など


基本値

[ぶどう糖負荷前]
110mg・dl未満

[負荷2時間値]
140mg・dl未満
(詳細下記記載)


・一定条件下で血糖値がどう推移するかを調べる

異常値が出る理由については、血糖検査を参照。

 

ぶどう糖負荷試験(75g・OGTT)は、

一定の条件下で一定量ぶどう糖を摂取した場合に、
血糖値がどのような動向を示すかを調べる検証です。


検査では、ぶどう糖負荷(飲む)前の空腹時の血糖値を調べ、
さらに負荷後2時間の血糖値を調べて、

その数値から判定をすることになります。

基準値は上記の通りですが、詳細は下記に記載致します。

 

途中で、ぶどう糖負荷後1時間(必要があれば30分も)の血糖値も調べてます。
この検査数値は判定の基準として活用するのではなく、
糖尿病であることが確定した場合に、

どのような病態であるかを調べるために利用されます。

 

・「糖尿病型」の判定が2度出ると糖尿病


下記の判定基準を、良く見てください。
「糖尿病」ではなく、「糖尿病型」となっています。


微妙な表現ですが、これは、1回の検査だけで
「糖尿病」と判定するのではない事を意味しています。

 

ただし、通常は事前に血糖検査や尿糖検査が行われていて、
そこで一度「糖尿病型」という判定が出て、その結果、
ぶどう糖負荷試験の対象になっているのですから、
双方で同じ判定が出れば、ここで確定診断が下せる、
つまり「糖尿病」であるという診断が決まることになります。


ぶどう糖負荷試験の判定基準

空腹時126mg/dl以上または負荷後2時間200mg/dl以上は糖尿病
空腹時110mg/dl未満および負荷後2時間140mg/dl未満は正常型
上記数値の間は境界型


アドバイス

糖尿病は、動脈硬化を促進するメタボリックシンドロームの判定要素のひとつです。
さらに糖尿病は、単独でも決定的に動脈硬化を促進します。

 

糖尿病の判定は、

メタボリックシンドロームと判定されたのと同じ重さで受け止めることが大切です。

 

また、「糖尿病」という表現には、ほかの病気が原因で、
糖尿病と同じような症状がでているケースもありえるという意味もこめられています。


・「境界型」の人は、まだ発病を防ぐことが可能


上記に示した判定基準には、「境界型」という言葉が出ています。
これは、現在のところは糖尿病とはいえないが、
現状を放置していると、

糖尿病を発病する恐れが強いレベルであることを意味しています。
もちろん、正常な状態あるといえません。

 

じつは、境界型という判定を得て、

「糖尿病でなくてよかった」と安心したり、
検査結果を軽視してします人が結構多いのです。


しかし、この段階での対応のしかたが、
それ以後の道筋に大きく影響します。

 

「境界型」の判定が出た人に対しては、
通常、生活習慣についての指導が行われます。

 

具体的には、この生活指導を忠実に実施していれば、
糖尿病を発病する恐れが大幅に低くなります。

 

逆に、その実施がいい加減であると、ほぼ確実に、
いずれ糖尿病を発病するといってよいでしょう。

 

糖尿病は、一度発病すると、
一生、血糖値のコントロールをしていくことが必要になる病気です。
「境界型」はまさにこれからの人生の分岐点となる状態といえます。

 

その意味で、境界型の判定は、
異常値が出たのと同様の感覚をもって
受けとめるべきことだと言えるでしょう。


◆糖尿病の主な合併症

脳梗塞
脳出血
突発性難聴
・顔面神経マヒ
・助間神経痛
・肺炎
・肺結核
・便秘
・下痢
・勃起障害
・排尿障害
・下肢閉塞症
動脈硬化
・足の壊痕
・糖尿病網膜症
白内障
歯周病
狭心症
心筋梗塞
不整脈
・高血圧
・糖尿病腎症
腎盂炎
・膀胱炎
・皮膚炎
・おでき
・骨減少症
・糖尿病神経障害


アドバイス

糖尿病は、一生治らない病気であると思われています。
それはそうなのですが、血糖値のコントロール次第で、
治っているのと同じ状態を、一生維持していくことの出来る病気でもあります。
その成否は、多くの場合、日常生活の改善にかかっています。

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版