3つの方法を使い分けて総胆管に生じた異常を診断する

3つの方法を使い分けて総胆管に生じた異常を診断する


・胆管胆嚢造影


1、どんな検査?

胆汁の通り道である総胆管の異常を調べる検査。
総胆管に造影剤を注入し、超音波やX線により画像を得て調べる。


2、異常値を示す主な病気

総胆管結石、胆嚢結石、胆石、胆管がん、
胆嚢がん、胆管狭窄症、胆管拡張症、
閉塞性黄疸、膵臓がん、慢性膵炎など


主な対象臓器

肝臓
胆嚢
胆管など

 

 

・受信者への負担がもっとも少ないDIC-CT

 

総胆管は、肝臓で作られた胆汁が、胆嚢で貯留されたあと、
十二指腸乳頭部から排出されるまでの通り道となる管です。


この管の内側の様子を調べられるのがこの検査で、
主に3つの方法があります。

 

胆管胆嚢造影で、一般的に最初の選択肢となるのは
「径静脈性胆道造影併用CT(DIC-CT)」です。

 

造影剤を静脈から点滴により注入し、
CTを併用して時間経過に従って数回のX線撮影を行います。


受信者への負担がもっとも少ない方法です。

 


・穿刺針やカテーテルを使うPTCとERCP

 

DIC-CTで十分な結果が得られたいときは、
「経皮径肝胆管造影(PTC)」検査を行います。


穿刺針を腹部から肝内胆管に刺し入れて造影剤を注入し、
X線撮影をします。

 

DIC-CTより明瞭な画像が得られます。

 

もうひとつ、「内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)」では、
口から十二指腸乳頭部まで内視鏡を挿入し、
さらにその先端からカテーテルを出して乳頭部に差し込み、
造影剤を胆汁の流れとは逆行する形で注入し、
X線撮影を行います。

 

十二指腸まで内視鏡が入るので、
その部分までの検査も同時に行えるほか、
先端部の装備びによっては、
狭窄部の拡張や結石の除去などの処置を行うことも可能です。

 

胆管胆嚢造影は、

胆道系の病気を診断する上で欠かせない検査法と言われています。

 

 

アドバイス

 

PTCとERCP検査を実施する場合は、

造影剤注入方法の関係で、
前日から食事制限をするように指示が出ますから、
確実に守りましょう。

 

また検査後は、安静や安全確認などのため、
24時間程度の時間が必要になります。


《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版