尿たんぱくの検査は、腎臓障害発見の有力な手立てになる

尿たんぱくの検査は、腎臓障害発見の有力な手立てになる


・尿たんぱく


1、どんな検査?

 

たんぱく質は、腎臓から尿中に1日あたり50~100mg排出されている。
腎臓に異常があるとその量が増えるので、それをチェックする。

 


2、異常値を示す主な病気

 

糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、
糖尿病腎症、尿路感染症、尿路結石、
筋肉の炎症、骨髄腫、溶血、
急性尿細菅壊死など


基準値

[定性検査]
陰性(-)

[定量検査]
15mg/dl以下

 


・障害の種類などにより数百倍の数値になることも

 

腎機能が正常であれば、尿中に含まれるたんぱく質はごく微量です。


その尿たんぱくが高値を示したら、

腎臓に何らかの障害が起きている可能性を示唆します。

 

腎臓の障害の種類や程度によっても異なりますが、
基準値の数倍から数百倍になることもあります。

 

ただし、38度以上の高温が出た時や、

心不全などで腎静脈の血流が滞った際などにも、
尿たんぱくが高値を示す事があります。


このようなケースでは、もとになっている病気が治まれば、

尿たんぱくも正常に戻ります。

 

また、下記にあげるような日常の要因が原因となって、
尿たんぱくが高値を示す事もありますが、
この場合も、その状態から脱すれば、基準値内に収まっていきます。

 

 


・異常値が出たら再検査などを行って診断を確定

 

1回の検査で異常値が出ても、それだけで確定診断をする事は出来ません。


再度、尿たんぱく検査などを行い、なお異常値がでたら、
関連検査や精密検査を実施して、確定診断につなげます。

 

腎臓病であることがわかったら、

基本的に安静状態を保つことが必要になります。


運動に制限が加わり、過労や寒さを避ける事が求められます。

 

また、腎臓病では食事療法が治療の成否にかかわりますから、
医師の指示を厳格に守る事が必要です。

 

食事療法では、食塩とたんぱく質の制限が行われるのが一般的です。

 


◆高値の原因となる日常の要因


・激しい運動
・精神的な興奮
・過剰なストレス
・寒冷
・便秘
・妊娠


(いずれも、それぞれの状況を脱すれば、基準値内に収まる)

 


アドバイス


尿たんぱく検査では、採尿のタイミングや、

直前の食事内容などが、
検査結果に影響を及ぼす事があります。

 

事前にそれらに対する支持があった場合は、
正しい検査結果を得るために、必ず厳守するようにしてください。

 


《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版