尿糖が確認されたら、血糖値が高い証拠になる
尿糖が確認されたら、血糖値が高い証拠になる
尿糖
1、どんな検査?
尿にブドウ糖が出てきているかどうかを調べる。
血糖値が正常なら尿糖は陰性だが、
血糖値が一定レベルを超えると出てくる。
2、異常値を示す主な病気(高値のみ)
糖尿病、症候性腎性糖尿、甲状腺機能亢進症、慢性膵炎、
クッシング症候群など
(病気ではないが胃切除後や腎性糖尿では高値を示す。)
基準値
[定性検査]陰性(-)
[定量検査]1g/日以下
・尿糖検査は糖尿病のスクリーニング検査
血液によって運ばれているブドウ糖は、
腎臓の糸球体で一度ろ過された後、
尿細管から再吸収されます。
そのため、血糖値に異常がなければ、
ブドウ糖が尿中に出てくることは、通常ありません。
ところが、血糖値が異常に高くなると、
尿細菅から再吸収が追い付かなくなり、
ブドウ糖が尿中に出てくるようになります。
これが尿糖です。
つまり、尿糖が確認されれば、
血糖値が明らかに高いことを示唆しているのです。
定性検査は尿に試験紙を浸すだけ、という簡単な検査法である事もあり、
糖尿病のスクリーニング検査のひとつとして、広く利用されています。
・血糖値が基準値内でも尿糖が出る事がある
血糖値に異常がないのに、尿糖が出てくるケースがあります。
たとえば若い人にときどき見られるじ腎性糖尿では、
腎臓からブドウ糖が漏れ出す際の血糖値レベル(尿糖排泄閾値)が低いため、
そのような形になります。
これはその人の腎臓の個性のようなもので、
病気とはいえず、また実害もありません。
ただし、将来、糖尿病へ移行する恐れが無いとも言えないので、
血糖値などの定期的な検査を続けることが大切です。
糖質の多い食品を食べた後に、
尿糖が確認されることもあります。
これは一過性のもので、病気とは言えませんが、
糖尿病予備軍である恐れは否定できません。
◆腎臓の糸球体の各名称
輸入細動脈
ボーマン嚢
糸球体
尿細菅
※糸球体は腎皮質内に存在し、
その数は1個の腎臓で薬100万個もある。
アドバイス
尿糖検査で用いる検査紙は、
一般の薬局で購入する事が出来ます。
メタボリックシンドロームの恐れがある人や、
糖尿病予備軍(境界型)の人などは、それを入手して、
ときどき尿糖を事故チェックしてみるとよいでしょう。
《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版