直接ビリルビンと総ビリルビンが肝機能低下の指標になる

直接ビリルビンと総ビリルビンが肝機能低下の指標になる


ビリルビン

 

 

1、どんな検査?


ビリルビン赤血球の分解時にできる物質。

肝臓で処理されるが、

肝機能の低下により血中濃度が高くなるので、その指標にする。

 

 

2、異常値を示す主な病気(高値の場合)


[T/D-Bil]

急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪機、肝硬変、胆汁うっ滞など


[I-Bil]

溶血性貧血、敗血症、甲状腺機能低下症、肺梗塞など

 


基準値
[総ビリルビン(T-Bil)]

0.2~1.2mg/dl


[直接ビリルビン(D-Bil)]

0.5mg/dl未満

 


[関節ビリルビン(I-Bil)]

0.8mg/dl未満

 

・3つの検査値の関係は?
血清中のビリルビン値は総ビリルビンといいます。

このうち、肝臓で処理され、無毒化されたものが直接ビリルビン

処理される前の物が関節ビリルビンです。

 

検査では、総ビリルビンと直接ビリルビンが計測され、

その差が関節ビリルビンと言う事になります。

 

この3つの検査値のうち、

肝機能低下の指標になるのは直接ビリルビンと総ビリルビンです。

 

直接ビリルビン値が高ければ、

肝臓での処理がうまくいっていないことを示していますから、

肝機能低下の指標として利用できます。

 

また総ビリルビン値は、黄疸の進行程度を反映します。

黄疸は、肝機能低下などによる症状のひとつです。

ちなみに、2.0mg/dl以上になると白目が黄色くなり、

3.0mg/dl以上では皮膚も黄色っぽくなります。

 


・関節ビリルビンの高値は赤血球の異常を告げている


肝臓で処理される前の関節ビリルビンが高値を示していると言う事は、

肝機能にかかわりなく、元になる赤血球に異常が生じていることを示唆します。

 

つまり、赤血球の文化が異常に亢進しているか、

ほかの病気が原因で赤血球破壊、

損失が進んでいることを意味しているのです。

 

先の説明の「異常値を示す主な病気」の

I-Bil(関節ビリルビン)の所に示した病気は、

いずれもそのようなタイプの病気です。

 

そのほか、大量の内出血がある場合も、関節ビリルビン値が高値を示します。

 


◆肝機能が低下している人は・・・


・高たんぱく食を心がける
・積極的にビタミン摂取を心がける
・禁酒を実行する
・喫煙を実行する


アドバイス
黄疸にはいくつかの種類があります。

その一つに体質的黄疸があります。

このケースでは、総ビリルビン値が高値を示しますが、

肝機能に異常があるわけではありません。もちろん、治療の必要はありません。

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版