検査値が高値を示したら、腎臓の機能はすでに半分以下に!

検査値が高値を示したら、腎臓の機能はすでに半分以下に!


クレアチニン

 

1、どんな検査?
クレアチニンは、尿素窒素と同様に、

たんぱく質代謝産物。血清中の数値を調べ、

腎機能の状態を探る指標とする。

 

2、異常値を示す主な病気


[高値]

急性腎炎、慢性腎炎、糸球体腎炎、

腎不全、腎盂腎炎、肝臓結石など


[低値]

多発性筋炎、筋ジストロフィー、尿崩症など


基準値
[男性]0.61~1.04mg/dl
[女性]0.47~0.79mg/dl

 


・高値は腎機能の異常、低値は筋肉の異常を示す


クレアチニンは、クレアチンやリン酸クレアチンと言う

アミノ酸(たんぱく質)の一種が、

エネルギー源として消費された後にできる代謝産物です。

 

このアミノ酸の98%は筋肉に存在しています。

 

クレアチニンは、ろ過、排出されます。

したがって、腎臓の機能が低下していると、ろ過が十分にできなくなり、

血中濃度が上昇します。

 

ただし、腎機能が半分程度になるまでは、

腎臓の予防能力のおかげでクレアチニン血中濃度は上昇しません。

 

逆にいうと、検査ではっきりした高値が出たら、

腎機能は半分以下になっていると言う事です。

 

低値の場合は、筋肉のエネルギー変換がうまくいっていないことを示唆します。

 

筋肉の異常により、クレアチニンの生成量が低下しているのです。

 

 


・高値の程度は腎機能低下の度合いを反映している


クレアチニンは、尿細萓からの再吸収も尿以外から排泄もほとんどないため、

尿素窒素に比べ、より確実に腎機能の異常を反映します。とくに高値の場合、

クレアチニン値の上昇の程度は、腎機能の低下の度合いを如実に反映します。

 

したがって、数値が異常に高いときは、

腎機能を大幅に低下させる病気が進行している恐れが強いので、

すぐに関連検査を行って確定診断を受け、治療に入る事が大切です。

 

クレアチニン、クリアランスの基準値
年齢:40歳以下/

男性(ml/分)116.5±5.1/

女性(ml/分)115.0±3.9

 


年齢:41~50歳以下/

男性(ml/分)109.7±5.1/

女性(ml/分)92.0±4.1

 


年齢:51~60歳/

男性(ml/分)97.6±5.5/

女性(ml/分)83.5±4.6

 


年齢:61~70歳/

男性(ml/分)96.1±6.0/

女性(ml/分)78.1±3.2

 


年齢:71歳以上/

男性(ml/分)85.0±6.5/

女性(ml/分)78.1±3.2

 

アドバイス
腎機能低下を起こす病気の治療では、

減塩食、低たんぱく食といった食事制限が行われます。

水分摂取にも制限が加わります。

腎臓への負担を軽減する為に行うものですから、

医師の指導を確実に守りましょう

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版