古くから世界中で利用されてきた胸部の代表的な検査方法

古くから世界中で利用されてきた胸部の代表的な検査方法


・胸部X線


1、どんな検査?
胸部にX線を照射して、画像化する。

 

骨や心臓、炎症、腫瘍などが白い映像として現れるので、

その形状から病気の有無を調べる。

 

2、異常値を示す主な病気
肺がん、肺炎、肺結核、肺膿瘍、

肺気腫気胸、胸水、胸膜炎、

胸腺腫瘍、心肥大、縦膜腫瘍など


主な対象臓器は肺、胸膜、心臓、胸部骨格など


・すぐれた検査方法だが、限界もある


X線検査は、体内の様子をありのままに、

平面に映し出すもので、単純X線検査とも呼ばれます。

 

たとえば肺がんがあると、丸く淡い感じに映し出されます。

 

もやもやして境界が不鮮明な様子が映し出されたら、

肺炎や肺結核などの炎症性の病気が考えられます。

 

心肥大があれば、心臓がぽってりとして感じに見えます。

このように、胸部に異常があれば、

そのままの形で所見として認められます。

 

ただ、たとえば患部が背骨に隠れるなどしていた場合には、

発見しづらいこともあります。

 

また、X線被曝の弊害を考えると、

短期間にたびたび検査を繰り返すのは避けなければなりません。

 

・胸部の代表的なスクリーニング検査として銃砲


単純X線検査は、

古くから世界中で利用されてきた優れた検査方法ですが、

検査技術や機器の飛躍的な進歩により、

最先端の検査方法ではなくなりました。

 

そのため、この検査だけで確定診断をするケースは少なくなり、

多くの場合、さらに詳しい状態を知る為の、

想定される病気に対応した2次・精密検査を行い、

診断を確定させます。

 

胸部X線検査の重要な有用性は、

代表的なスクリーニング検査という点にあります。

 

この検査で異常所見が出たら、

その時点で、

起きている病気の種類や進行程度もある程度判断出来ていることが多いので、医師の説明。指示に従って、必ず2次・精密検査を受けてください。


◆胸部X線撮影時の注意点


・妊娠中またはその可能性のある人は事前に

その旨を医師に伝えて可否を判断してもらう。


・撮影対象部位の金属製品をはずす

(アクセサリー・時計・ベルト・磁気治療用品など)


・撮影時は息を止めて動かない


アドバイス

異常所見のなかには、

たまに病気ではないケースも含まれています。

 

その代表的な例が、過去の胸部疾患の名残です。

 

以前に胸部の病気をした経験があったら、

問診時か判定時に、医師にその旨を伝えましょう。

 

《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版