検査と生活指導がセットになった特定健診・特定保健指導という制度

検査と生活指導がセットになった特定健診・特定保健指導という制度


特定健診・特定保健指導について知っておこう

2008年4月から導入された特定健診と特定保健指導。

生活習慣病の増加に伴う医療費の増大に歯止めをかけるための制度だが、

受診する側には、生活習慣病の早期発見・早期治療開始におおいに有効だ。


特定健診で「メタボ」を発見する。


2008年度から導入された特定健康検査(特定健診)は、

急増中の生活習慣病を招きやすいメタボリックシンドローム

焦点を当てた制度です。

従来行われてきた定期健康診断に比べ、

検査項目はかなり限定的になりました。

 

・健診結果をもとに保健指導が提供される。


この制度の特徴は、

健診結果をもとにした指導が行われる点にあります。

 

これが特定保健指導で、医師・管理栄養士・保健師により、

個別の保険指導計画に基づいて、

改善すべき生活習慣(食事・運動・喫煙など)についての指導が行われます。

 

対象者には具体的な目標が示され、

定期的な状況確認ののち、最終評価を受ける事になります。

 

特定健診の内容と特定保健指導

【検査1】
男性の場合はウエスト85センチ以上=A
男性の場合はウエスト85センチ未満=B
女性の場合はウエスト90センチ以上=A
女性の場合はウエスト90センチ未満=B

A(以上)の場合は検査2へ

B(未満)の場合はBMIを計算
<BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)>

BMI=25以上の場合は検査2へ
BMI=25未満の場合は判定と指導の内容へ


【検査2】


・血清脂質の測定
 中性脂肪値=150㎎/dl以上(中性脂肪)
 または/かつ
 HDLコレステロール
 =40㎎/dl未満(HDLコレステロール

 

・血糖の測定
 空腹時血糖値=110㎎/dl以上(血糖)
 または/かつ
 グリコヘモグロビン値(NGSP)=5.6%以上

・血圧(血圧)


 収縮期血圧=130mmHg以上
 または/かつ
 拡張期血圧=85mmHg以上


【判定と指導の内容】

検査1でBMI25未満=情報提供

検査1でA&検査2で該当なし=情報提供
検査1でA&検査2で該当1個&喫煙歴無し=動機づけ支援
検査1でA&検査2で該当1個&喫煙歴あり=積極的支援
検査1でA&検査2で該当2個以上=積極的支援

検査1でB&検査2で該当なし=情報提供
検査1でB&検査2で該当1個=情報提供
検査1でB&検査2で該当2個&喫煙歴無し=動機づけ支援
検査1でB&検査2で該当2個&喫煙歴あり=積極的支援
検査1でB&検査2で該当3個=積極的支援

 


・情報提供=健診結果の提供と、

生活習慣病予防のためのアドバイスなど


・動機づけ支援=健康についての自覚を促すとともに、

体重減少などの数値目標を決め、アドバイスが行われる。

半年後に評価が行われて、終了。


・積極的支援=動機づけ支援に加え、

電話・ファックス・メールなどによる定期的指導などの支援を受ける。

 


ここをチェック!

 

特定健診・特定保健指導の制度は、

40~74歳のすべての人が対象となります。

そのほか、30~39歳の人には成人検診が、

75歳以上の人には後期高齢者健診(長寿健診)が行われます。


《参考資料》
健康診断の検査値がとことんわかる事典 最新版